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Web拍手ログまとめ

コードギアス ロロ×ルルーシュ(~2008/**/**)

中華連邦からルルーシュが帰ってきてからロロは浮いていた。
「当分はこっちに居られるの?」
「ああ」
内容は置いといて、兄との他愛の無い会話が久しぶりで新鮮で仕方ない。
「僕がヴィンセントで戦ってもいいけど……」
「もう、そういうことは言うなって何度も言ってるだろう?」
「……ごめんなさい……」
そう呟くとロロはルルーシュに甘えるように抱きつく。
ルルーシュの心臓も一瞬飛び跳ねたがポーカーフェイスを崩さず優しく抱き返した。
「随分と甘えん坊だな」
「だって、ずっと兄さんの声を聞くだけで触れてなかったんだもん」
勢いよく顔を上げるとそのままルルーシュへに口付けた。
「……ん、ッ……ロロ……」
最初は触れるだけだが、段々吸い付くように何度も重ねる。
頬が赤く染まったルルーシュに比べロロは息すら乱しておらず、それを毎回見ると兄としての立場がない。
「なに?兄さん」
「苦しいから、あまりするな……」
再び抱きつきながらロロは嬉しそうに言う。
「え~?兄さんのこと、こんなにだいすきなのに」
「全く……」
自分も記憶が戻ってからこの弟に随分と甘くなったものだと、目を瞑る。
「ねぇ、兄さん…………ずっと兄さんを守るから傍にいてくれる?」
「守ってくれなくてもオレはロロとずっと一緒にいるが?」
「ありがとう」
この温もりも香りも鼓動も、全部、自分だけのもの。
今だけでも感じていたくてロロはルルーシュの胸に顔を埋めた。
言葉の続きを言ったらルルーシュが悲しむのは見えていた。
「だいすきだよ、兄さん」

このギアスが暴走するまでの間だけ、

家庭教師ヒットマンREBORN! +10雲雀→←+10綱吉(~2008/**/**)

+10綱吉(♂)と+10雲雀(♂)の間に特殊弾で子供(♀)が出来て、その子が10年前に来たら というIFネタ。
パラレルネタが「考えられない!」という方はごめんなさい。

先ほど仕事が終わり、守護者と綱吉が帰ってくると同時に骸が出迎えるものだから……皆で顔を見合わせた。
事情を聞くと、ひなをからかってる間に故障している10年バズーカに入って過去に飛ばされたらしい。
ちゃんと過去で起こったことを説明すると、骸は拍子抜けしたようだった。
だが、次期後継者を危険な目にあわせたという名目で罰として仕事を与えておいた。
その後にヒバリさんと獄寺くんが殴りに掛かっていたが見て見ぬ振り。

雲雀の真ん前で綱吉は書類と睨めっこしている。
綱吉が書類から目線を雲雀に移すと、外にある中庭をぼんやり眺めていた。
「ひなのこと、気になるの?まさか今日だったなんてオレも思ってなかったよ」
10年前に突然自分の部屋に居た女の子。
自分と雲雀との間に生まれ育てられたと言われた時には驚愕するしかなかった。
「心配しないわけ、ないでしょ……」
迎える方と送り出す方とこれで経験したが、迎える方が気持ち的には楽なのかもしれない。
親となってから遠く離れることはあっても確かにこの世界にいたが、今では時間を越えて遠い場所にいる。
「今思い返してみると、10年前に会ったひなに言われた通りだね」
「えっと、パパには育てられてないってやつ?う~ん……」
頭を捻り考えてる間も雲雀は続ける。
「思ってた以上に父親らしいことしてやれなかった、ひなの誕生を一番心待ちにしてたのは僕なのに」

思い返すと、本部を空けることが多い雲雀は1週間に2回以上ひなと顔を合わせれば良い方だと言える。
忙しい仕事をこなして帰ってくるとひなは寝てることが多いし、構うのは綱吉のことばかりだった。
1年のうち3人揃って外出したのは数える程。
10年前の初対面は綱吉に似てる馬鹿な子供としか思わなかったが、確かに自分達の遺伝子を受け継いでいた。
【 ひなとも遊んであげないと 】
この言葉を何度聞いたことか、だが実行に移したことは少ない。

綱吉は万年筆を置いて、席を立つと雲雀の手をそっと握る。
「大丈夫ですよ……10年前は知ってるでしょう?無事に帰ってきますよ」
「そうだね……」
握り返された手は温もりを感じた。

意外に心配するのは母親役のオレより、父親のヒバリさんだった。

家庭教師ヒットマンREBORN! 骸×綱吉(~2008/**/**)

しとしとしとしとしと。
少し湿った空気と地面と傘に打ち付ける雨。
それが君を思い出す。

母親に頼まれた用事を済ませ帰路についていた。
季節はあっという間に桜は散って春は過ぎ、梅雨の時期へと入る。
時折晴れることもあるが、ここ数日は雨は上がらない。

傘を少し傾けて空を見上げると灰色の雲が空を蔽う。
「おやおや、 早く家に帰らなくていいんですか?」
声の主は解っている、だからこそ振り向かない。
「おまえこそ、なんでこんな所にいるんだよ……」
「気分転換ですよ、僕は大空が広がっているより天候が悪い方が好きなんです」
それは自分に対する嫌味なのか、あえて考えないことにする。
「ほら、帰るぞ……」
やっと振り向いた綱吉は骸に自分の持っていた傘を被せる。

火傷したように頬は赤く染まり、少し睨みつけるような眼が骸には堪らない。
そっと頬に触れた手は完全に冷え切っていた。
その行動に綱吉は驚くことはなく。
綱吉は雨を遮っていた傘を手から離し、骸の背中へと腕を回す。
自然とお互いの瞳は閉じていた。
傘が地面に落ちる音とあたかたかい唇。

「君が大空ならば、灰色の雲に覆われていなければならないでしょう?」

家庭教師ヒットマンREBORN! 雲雀×綱吉(2008/10/19~2009/04/02)

リボーンから半ば強制的に受け取らされた使い捨てカメラ。
残り守護者で撮ってないのは並盛中最凶風紀委員長。
(絶対撮らせてもらえないって~~~~~……)

「…綱吉?」
路地の墨でどんよりした気持ちに浸かっていれば最大の難関の彼が現れる。
「ヒバリさん…」
自分なりに考えた結果”言っても撮らえることはない”。
なら撮り逃げなら、撮ったことには変わりないのだからリボーンも合格サインを出してくれるだろう。

近づいてくる雲雀に申し訳ない気持ちを抱えながら、一瞬にしてカメラを構えてシャッターを切る。
軽い音が聞こえたと思ったらカメラを握り締めて走り出していた、筈だった。
右手を強く握られて踏み出せないことに気づくまでは。
「う、わぁあああああ!!」
「うるさいよ……」
もっと怒りを買うと想像したら叫び声は止む。

「何写真なんて撮ってるの、噛み殺されたい?」
トンファーを顎の真下に当てられると身体が冷めた気がした。
「ごめんなさい!!リボーンが守護者全員撮ってこいって言うから……」
赤ん坊が?と、不機嫌そうな声が返ってくる。
他に何を言えばこの場を終えることが出来るだろうと考えても、頭は混乱するばかり。

「そ、そういえば骸も写真撮らせてくれたんですよ…。ヒバリさんイリマスカ??」
「……なにそれ」
「え?」
「君は赤ん坊の命令だからって、わざわざあんな男の所へ行ったのかい?」
腕の中に閉じ込められれば何処にも逃げ場などない。
嫉妬に染まった低い声が綱吉の耳元で聞こえる。
「ヒ、バリさ……」
心臓のテンポは速まるばかりで、腕から解放される気配はない。
「それに綱吉はいつでも僕を瞳に映して撮っているじゃない、違うの?」
恐る恐る顔を上げれば、雲雀も覗き込むように顔を近づける。
「はい……」
あまりに雲雀の表情が温かく直視出来ず、瞳を逸らす。
2回頭を撫でられると、腕が彼の香りを微かに残し握っていたカメラを奪って去っていく。
「あ!」
「これは僕から赤ん坊に返しておくよ、そんなに写真撮りたいなら綱吉だけ許してあげる」
病気で熱を持った顔が普通の顔色に戻るには当分時間が掛かりそうだと感じながら綱吉は天を仰いだ。

貴方の言う通り眸は貴方を映し常にシャッターを切っていた

家庭教師ヒットマンREBORN! 骸×綱吉(2009/04/02~2009/07/17)

「Karman」サイドストーリー

町外れにある桜の名所を2人で歩く。
満開ではないが、少し早い花見には十分だった。

嬉しそうにはしゃぐ綱吉を見て、骸はつい口元が緩んでしまう。
「わぁー。もう結構咲いてるんだな~」
「去年も見に来たでしょう?」
「む、うるさいなぁ……」
意地悪すると不貞腐れたように、少し早歩きになった。
しばらく歩いてからベンチに座る。
「そういえば骸、一緒にイタリアに来るって本気なの……?」
中学2年生の時に出会ってから4年が経つ。
義務教育を終え高校に進学してあっという間に3年、今年の春に卒業してイタリアへ発つことが決まっている。
ボンゴレを継ぐ為に守護者共々本格的に動き出すからだ。

「クフフ……僕が一緒では何か不味いことでもあるのですか?」
「そうじゃなくて!……マフィアが嫌いなお前が良くその気になったな、って」
そう言った表情は曇っていた。
骸は、そっと手を握り、そして人差し指の腹で綱吉の親指を撫でる。
「忘れたわけじゃないでしょう……”誓い”を」
「なら尚更だろ……」
家族を危険に巻き込むことなんて出来ない、心の中で呟く。
たとえ言葉に出しても骸が納得しないことは解りきっていた。
柔軟性があると思いきや、骸は意外と頑固だ。
何度こんなことがあったか忘れてしまったが、最終的には言い包められてしまう。

「僕と居ることが、不安ですか」
「それだったら今までは何になるんだよ」
「クハッ!」
「え?!」
綱吉は噴出したように笑った骸を呆然と見た。
(というかここ笑うシーンなのかな……)
内心、感情が鈍くなってきたのかと不安になる。
「すいません。あまりに君が可愛いもので……」
「……」
優しい春風が吹き、枝を揺らす。
雰囲気もあったもんではない、白けてしまった。
一つため息をつけば骸は優しく微笑む。

「ならば、何度も誓いの言葉を捧げますよ」