今まだ僕等の関係に何らかの意味がありますように

「ぅうー……!!」

指揮官室で、ゾッとした寒気を感じたお名前(女)は息を飲んだ。
隣にいるフェイトは心配そうに振り向く。
「どうしたの、お名前(女)?」
「うーうん、何でもない」
オリジナルのスカリエッティから何かが届いて背筋が竦んでしまった、などと言えるわけがない。
(あの変態サディストめ……!)
モニターに映る空中を飛び回るガジェットドローンを、怒りをぶつけるように睨みつける。

「――それでいこう!」
はやての一言で作戦が決まった。
「加えて、お名前(女)も同行することを命じます。お名前(女)も立派な空戦魔導師や。ほな、しっかりやって来るんで!」
他の面子がお名前(女)を見つめる中、
「了解!」
明るく返事され、全員がモニターへと視線を戻した。

「ティアナ!!思いつめちゃってるみたいだけど、帰って来たら……」
「だからっ!付き合うなってば!!」
無理矢理ヴィータが、なのはの腕を引っ張って乗せられてヘリが離陸した。
「なのは、大丈夫?」
「お名前(女)ちゃん……。後でちゃんと、ティアナと話しないとね!」
少し悲しそうに笑うなのはを、お名前(女)は表情を変えないままじっと見た。

ヘリから先に3人が飛び出していくと続けてお名前(女)も飛び出す。
「名字お名前(女)、出ます!……いこう、ヴァルキュリア」
それは生前と変わらぬ感覚で、今飛んでいるこの光景を幻とさえ錯覚させた。
「こちらスターズ1。中距離火砲支援、いきまーす!」
集束砲が敵を貫くと同時に戦闘が始まる。