高い天を行く者

ユーラシアが民間企業アクタイオン社と共同で開発したファーストMS・ハイベリオン。
ユーラシアということを強調させる為に搭載された「アルミューレ・リュミエール」。
それがこのハイベリオンがより「高い天を行く者」に近くしている。

デッキでマジマジとハイペリオンを見るお名前(男)。
その光景を見て、カナードは呆れたように口を開く。
「そんなに見ていて楽しいか?」
「ああ!楽しい!なんていうかな……カナードを見てるみたいでさ」
そこでお名前(男)はカナードの方へと顔を向けた。
「お?何だそれって考えてる顔だ」
自信満々に言うが確かにその言葉は当っている。

咳払いしてから「なら説明しよう!」などと科学者の真似をしながら言った。
「ハイペリオン、意味は“高い天を行く者”――カナードに合ってるなって。 これからカナードはハイペリオンになるんだろ?アイツを殺して高い天を行く者になるんだ……ほら、ぴったし」
カナードにしてみれば、イマイチしっくりこない理由だが当の本人は勝手に納得した様子で。
そう思っている間にも、お名前(男)はだらだらまだ語り続けている。
「――ことなんだけど、わかった?」
「よくわかった」
途中から聞くのが煩わしくなったカナードは適当にそう返す。
だが、一生懸命に語っている瞳を見ているのは分には、嫌じゃなかった。

この感情に慣れてはいけない。
「お前の言う通り、俺はハイペリオンになる。それを決めたのは自分の意思の何者でもない」
「カッコイイねー!カナード・パスル特務兵!」
「今度は戦艦でも作ってみるかー!どう思うカナード?」
「勝手にしろ」
「さすがにハイペリオンだけじゃあつまんないしさ。あ、あれ、俺がOS制作兼名付け親なんだ!やっぱりカナードにぴったし!」