「04 typeA 2つの道でも思いは1つ」の後

時刻は夕暮れ時。
邪悪な色の空でも、部屋には確かにオレンジ色に近い光が差し込む。
美しい光景とは逆に、シュウトの顔は思いっきり引きつっていた。
「あのートールギス、さん?」
「何だ?」
「何で……――」
恥ずかしくて、その単語が口から出ない。
口が裂けても押し倒されている、なんて言いたくもない。
「なら、自分から脱げばいいだろう?別に全て脱げと言ってる訳ではないのだからな」
「だけどさ!一応、僕、体だけは男じゃないんだけど……」
「承知の上で言っている」
それならば、ますます性質が悪い。
シュウトも負けずと言い返す。
「じゃあ理由は?」
「魔法をかけるため、だ。喰おうというわけじゃないから安心しろ。まだ、な……」
トールギスはそう言うとにやりと笑うが、シュウトは「まだって……」と心の中で突っ込む。
とはいえ、自分で脱がなかったら無理やり脱がせるとわかっている。
「脱がないと駄目なの?捲る、とかは?」
「上まで捲るなら問題ない」
「上まで?!」
それは「脱げ」と言っていると一緒のことだ。
シュウトの反応を楽しそうに見ていたトールギスだが、とうとう無理やり、服を捲る。
「わーー!!!」
反射的に声が出すシュウトだが、恥ずかしさの余りに
抵抗することも無く、トールギス何事も無かったように捲った。
白い肌と成長途中と分かる膨らみかけた胸が露わになる。
自分でもあまり見た事がないのに、と思いながら、シュウトは精一杯、視線を泳がせた。
トールギスはそっと、シュウトの胸の間に手を置き、魔法を唱える。
手からもやもやとした金色の光が出りだすが、その光が収まるとトールギスは手を退かす。
「トールギス、何やったの?」
「聞くよりも、見た方が早い」
「え?だ、だけどさ……」
シュウトは恐る恐る、自分の胸を見る。
そこには、山吹色の羽を形取った印が刻まれていた。
「これは?」
「オレとグリフィンの力の一部をここに封じ込めた。これがあるモノはすぐに何処にいるかがわかる」
「そ、そうなんだ」
魔法を使われた時も痛いわけでも何でもなかったので、あまりしっくりこない。
「それに、水で洗い流そうと擦ろうと落ちないからな。これが消える時は――」
言葉が途切れたので、シュウトは印から目線をトールギスへと移す。
「これが消える時はオレがこの世から消えた瞬間ときだ」
「…………そ、っか……」
考えた挙句、シュウトはそれだけポツリと言葉をつぶやく。
「でも、君は強いからそんなことは無いと思うけどね」
「当たり前だ……」
強気な発言をした後、トールギスは先ほど刻んだ印の上にキスを落とした。